慰謝料と自己破産

世間ではコロナ離婚と呼ばれるように、いままで一緒に居なかった夫婦が外出自粛により近くで顔を合わせるため喧嘩が増えて離婚に至ったという話を耳にします。

離婚理由として最も多いのは性格の不一致です。ただし、理由となっているだけで性格の不一致で離婚となってしまうわけではありません。それは、性格の不一致だけでは婚姻関係の継続しがたい重大な理由と裁判所が判断しないからです。

異性関係が1位じゃないのは意外と思われるかもしれませんね。浮気・不倫が原因であった離婚は、女性で第3位・男性で第5位です。浮気や不倫の慰謝料の相場は、離婚に至った場合で300万ほど。至らなかった場合で200万ほど。状況や浮気の程度によっても変わってきますので一概には言えませんが、弁護士さんもこの辺りの数字を相場として考えているようです。

この300万という数字はどこからきたのでしょう?この相場・・・実は3~40年前から変わっていないのです。仮に昭和40年からとすると消費者物価指数は4.1倍になっているのに対し、慰謝料の金額が変わってないというのはおかしな気もしますね。

さて、今回は極稀にあるという慰謝料を払いたくないために自己破産するというケースの話をしてみようと思います。

自らが不法行為をしたゆえに慰謝料の支払い義務が発生したにも関わらず、国の制度に甘えて自身の罪を免責するという非常にモラルに反した行為だと思います。この場合、対象者の不貞行為による慰謝料の支払いは免責されます。

過去の判例でも

・不貞行為が5年継続しており、それなりに悪質であるが、配偶者に対する積極的な害意があったとは認められないとして、「悪意を持って加えたる不法行為」には該当せず、破産により免責されていると判断する。(東京地方裁判所平成15年7月31日)

つまり、「悪意を持って加えた不法行為」以外は免責されるということです。普通、誰だって不倫が良い事なのか悪い事なのかくらい判断できますし、悪いと自覚しつつなおも継続するのって悪意があるとおもいますが・・・一般の感覚からみると裁判所の判断は少しおかしく感じますね。しかも、弁護士費用などを3~40万円支払ってるならそれを慰謝料にあてればいいのに・・・と思う方も少なくないはず。

そして、これ以上におかしな事が続きます。

それは配偶者が自己破産すると不倫相手にも慰謝料請求が出来なくなります。

刑事事件でいえば、共犯者の片方が罰せられたから片方は無罪と言うようなもので、一般の感覚で考えると理解に苦しみます。法を制定するうえで、そうせざる得ない理由があるのかもしれませんが。

しかし、慰謝料は免責されても養育費などは免責されませんのでしっかり貰っていきましょう。それに、2~300万の慰謝料で自己破産するのは今後の人生を考えるとデメリットの方が多い気がします。車や家のローンを組めなかったり携帯電話を借りれなかったり役職を外されたり特定の就職にも就けなくなります。なので、ほぼほぼこの手段を選ぶ人はいません。極稀です。

慰謝料は自身の過ちなので分割払いにしてでもきっちりと支払っていきましょう。

 

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